この記事でわかること

  • アンケート謝礼の種類と、金額・渡し方の決め方
  • 謝礼が景品表示法の景品類に当たるケース
  • 住所を聞かずに謝礼を渡す方法

アンケートの謝礼は、回答してくれた人への感謝を伝えると同時に、回答を集めやすくする役目があります。ただし、謝礼の金額や渡し方によっては、景品表示法の景品類として上限がかかります。謝礼の種類と金額の決め方から、景品表示法の注意点、謝礼の渡し方までを順に紹介します。

アンケートに謝礼をつける目的

アンケートに謝礼をつける目的は、主に2つあります。

  • 回答にかかった時間と手間へのお礼
  • 回答を集めやすくするためのきっかけ

回答に時間がかかるアンケートや、答えてほしい相手が決まっている調査では、謝礼の有無で回答の集まり方が変わります。一方で、謝礼の金額だけを目当てにした回答が増えると、回答の質が下がることもあります。謝礼は「多ければよい」ではなく、アンケートの負担に見合った内容にします。

アンケート謝礼の主な種類

アンケートの謝礼でよく使われるのは、次の5つです。

種類 特長 渡し方
現金・ポイント 受け取る人にとって使い道がいちばん広い 振込やポイントの付与。口座などの情報が要る
商品券・ギフト券 好みを問わず使える 郵送、またはコードを送る
デジタルギフト 少額でも渡しやすい URLやコードをメールで送る
カタログギフト 受け取った人が好きな商品を選べる 冊子を郵送、またはURLを送る
自社商品・割引券 自社のサービスを使ってもらうきっかけになる 郵送、またはクーポンを送る

郵送が必要な謝礼は、回答者の住所を聞く必要があります。URLやコードで渡せる謝礼なら、メールアドレスだけで渡せます。

種類ごとの向き不向き

現金・ポイントは、受け取る人にとってもっとも分かりやすい謝礼です。ただし、振込には口座の情報が必要で、手数料と事務の手間がかかります。ポイントは、回答者がそのポイントのサービスを使っている場合に向いています。

商品券・ギフト券は、好みを問わず使えるので、回答者の年代が幅広い調査に向いています。紙の商品券を郵送する場合は、住所を聞く必要があります。

デジタルギフトは、数百円程度の謝礼を大人数に配るときに向いています。回答の直後にメールで送れるので、受け取りまでの時間も短くできます。

カタログギフトは、インタビューへの参加など、負担の大きい協力へのお礼に向いています。受け取った人が好きな商品を選べるので、金額が大きくても、好みに合わない心配が少なくなります。

自社商品・割引券は、自社の顧客に答えてもらう調査に向いています。ただし、自社商品を謝礼にすると、自社に好意的な人ばかりが答えて回答が偏ることがあります。

謝礼の金額と渡し方の決め方

謝礼は、渡し方と金額をセットで決めます。

全員に渡すか、抽選で渡すか

謝礼の渡し方は、回答者全員に渡す方法と、抽選で一部の人に渡す方法があります。

全員に渡す

  • 答えた人全員がもらえるので、公平で回答が集まりやすい
  • 回答の負担が大きいアンケートに向いている
  • 人数が多いと総額が大きくなる

抽選で渡す

  • 同じ予算でも1人あたりの金額を上げられる
  • 大人数から広く回答を集めたいときに向いている
  • 景品表示法の懸賞として扱われる場合がある

金額は回答の負担から決める

謝礼の金額は、回答にかかる時間と手間を基準に決めます。次の3つが大きいほど、謝礼も大きくします。

金額を決めるときに見ること

  • 回答にかかる時間(設問の数、自由記述の量)
  • 回答の手間(商品を使ってからの回答、インタビューへの参加など)
  • 答えてほしい相手の見つけにくさ(特定の職種や経験のある人など)

調査の方法によっても、回答者の負担は大きく変わります。

調査の方法 回答者の負担
Webアンケート 自宅で好きな時間に答えられる。負担は設問の数で決まる
郵送アンケート 記入して返送する手間がかかる
電話でのアンケート 決まった時間に話す必要がある
会場での調査 会場までの移動と拘束の時間がかかる
インタビュー 事前の日程調整と、話す時間がかかる
商品を使ってからの回答 一定の期間、商品を使って感想をまとめる必要がある

移動や拘束の時間がある調査ほど、謝礼を大きくします。Webアンケートでも、設問が多く自由記述の多いものは負担が大きくなります。

1つの調査の中で金額を変える場合は、条件をはっきり決めておきます。たとえば「アンケートだけなら500円、インタビューにも参加した人は追加で3,000円」のように、作業の量で分けます。

回答者によって謝礼を変える

謝礼は、誰に答えてもらうかによっても考え方が変わります。

回答者 謝礼の考え方
自社の顧客 感謝を伝えることを重視する。自社のサービスと関係のある謝礼も選べる
自社の社員 業務として答えてもらう場合は、謝礼をつけないこともある
一般の人(モニターなど) 回答の負担に見合った謝礼にする。使い道の広い謝礼が向いている
専門職や経営者など 答えてもらえる人が限られるので、負担に対して手厚めの謝礼にする

社員に答えてもらうアンケートで謝礼を出す場合は、福利厚生や業務上の扱いを人事・経理の担当者と確認しておきます。

予算の見積もり方

予算は「1人あたりの金額×人数」で見積もります。

渡し方 1人あたりの金額 人数 合計
回答者全員に渡す 500円 300人 150,000円
抽選で渡す 3,000円 30人 90,000円

全員に渡す場合は、回答者の上限人数を決めておくと、予算を超えずに済みます。

回答の質を保つ工夫

謝礼をつけると回答は集まりやすくなりますが、謝礼だけを目当てにした回答も混ざりやすくなります。回答の質を保つために、次のような工夫をします。

回答の質を保つためにできること

  • 謝礼の対象になる条件(すべての設問に答えた人など)を、アンケートの最初に書く
  • 同じ人が何度も答えられないように、1人1回までと決めておく
  • 設問をよく読まずに答えた回答を見分けられる設問を入れる
  • 謝礼を負担に対して大きくしすぎない
  • 答えてほしい相手の条件を決め、最初の設問で確かめる

謝礼の対象から外す条件を決める場合は、アンケートの最初に書いておきます。答えたあとで条件を追加すると、回答者とのトラブルの原因になります。

謝礼の渡し方

謝礼の渡し方は、アンケートの回答から謝礼が届くまでの流れで考えます。

回答者の個人情報は最小限にする

謝礼を郵送するには、回答者の住所を聞く必要があります。住所は個人情報なので、利用目的を示して集め、謝礼を送ったあとは適切に管理・処分します。アンケートの目的に関係ない情報を、謝礼のためだけに集めるのは避けたいところです。

URLで渡せる謝礼なら、メールアドレスだけで済みます。カタログギフトなら回答者が商品を選び、配送先も自分で入力します。アンケートで住所を聞かずに、形のある商品を届けられます。

すぐに渡すか、あとで渡すか

回答の直後に謝礼を渡すと、回答者は受け取りを実感しやすくなります。一方、回答の内容を確認してから渡したい場合は、締め切り後にまとめて渡します。あとで渡す場合は、いつまでに届くかをアンケートの最初に書いておきます。

謝礼の案内文の例

アンケートの最初に、謝礼の内容と条件を書きます。

このアンケートは5分ほどで終わります。最後まで回答いただいた方全員に、お礼として500円分のデジタルギフトをお送りします。ギフトは回答の締め切りから1週間以内に、ご入力いただいたメールアドレスへお送りします。受取期限はお送りした日から3か月です。お一人さま1回までの回答とさせていただきます。

抽選で渡す場合は、当選人数と当選の連絡方法も書きます。「当選者の発表は、ギフトのお届けをもってかえさせていただきます」と書いておくと、落選した人への連絡が要らなくなります。

謝礼を渡すまでの手順

  1. 謝礼の内容と条件を決める

    渡し方(全員か抽選か)と金額、対象になる回答の条件を決めます。

  2. アンケートの最初に謝礼の条件を書く

    金額・渡し方・届く時期を示し、受取期限があればその期限も書きます。

  3. 回答を締め切り、対象者を確定する

    条件を満たした回答者の一覧を作ります。抽選の場合は、ここで当選者を決めます。

  4. 謝礼を送り、受け取りを確認する

    受取期限がある謝礼は、期限が近づいたら受け取っていない人にもう一度案内します。

謝礼が景品表示法の景品類に当たるケース

アンケートの謝礼は、内容と条件によっては景品表示法の「景品類」に当たり、金額に上限がかかります。景品類とは、商品やサービスの取引に付随して、客を引きつけるために渡す金品のことです。

消費者庁は、アンケートやモニターの謝礼について、次のような考え方を示しています。図の流れで確かめると、どの扱いになるかが分かります。

アンケートの謝礼が景品表示法の景品類に当たるかの判定 購入者や来店者に限らないアンケートは取引に付随せず、景品規制の対象外と考えられる。限ったアンケートで、同じ回答なのに抽選で謝礼に差をつける場合は一般懸賞の上限がかかる。差をつけない場合、回答の手間に見合う報酬の範囲なら景品類に当たらず、過大なら総付景品の上限がかかる。 購入者や来店者に限ったアンケート? 謝礼の受け取りに来店が必要な場合も「はい」 いいえ はい 取引に付随しない 景品規制の対象外と 考えられる 同じ回答なのに抽選で 謝礼に差をつける? はい いいえ 一般懸賞の 上限がかかる 回答の手間に見合う 報酬の範囲? はい いいえ (過大) 景品類に 当たらない 総付景品の 上限がかかる 総付景品:取引価額の10分の2まで(1,000円未満は200円) 一般懸賞:取引価額の20倍まで(5,000円以上は10万円)

消費者庁のQ&Aでは、店で500円の商品を買ってその場で5段階評価のアンケートに答えた全員に、1,000円相当の謝礼を渡す例が示されています。この例では、誰でも簡単に答えられるアンケートなので1,000円相当の謝礼は仕事の報酬とは認められません。そのため、総付景品の規制の対象になるとされています。

景品類に当たる場合、500円の商品の購入者全員に渡せる謝礼の上限は200円です。取引価額が1,000円未満の総付景品は、200円までと決まっているためです。

出典:消費者庁「景品類ではないもの」Q52・Q53/消費者庁「景品規制の概要」(2026年10月19日確認)

購入者に限らないアンケートの場合

景品類は、取引に付随して渡すものです。購入や来店を条件にせず誰でも答えられるアンケートは、取引につながる事情がなければ、取引に付随しないと考えられます。ただし、回答を購入者に限る場合や謝礼の受け取りに来店が必要な場合は、取引に付随すると判断されることがあります。

判断に迷うときは

ここで紹介したのは消費者庁が示す一般的な考え方です。アンケートの内容や謝礼の条件によって扱いが変わるので、判断に迷う場合は消費者庁や都道府県の景品表示法の相談窓口に確認してください。

まとめ

アンケートの謝礼は、金額・渡し方・景品表示法の扱いをセットで決めます。

  • 謝礼の金額は、回答にかかる時間と手間、答えてほしい相手の見つけにくさから決める
  • 全員に渡すか抽選で渡すかで、予算の考え方と景品表示法の扱いが変わる
  • 簡単なアンケートに過大な謝礼を出す場合や、抽選で差をつける場合は、景品類として上限がかかることがある
  • URLで渡せる謝礼なら、回答者の住所を聞かずに届けられる

アンケートの最初に謝礼の条件をはっきり書いておくと、回答者の安心にもつながります。

よくある質問

この記事を書いた人

Psyve株式会社

法人向けオリジナルカタログギフト「PsyPre for Business」と、ギフトEC「PsyPre」を開発・運用しています。福利厚生や販促のギフト選びに役立つ情報を発信しています。

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