この記事でわかること

  • 取引先にお歳暮を贈るかどうかの判断と、贈る時期
  • 相手との関係ごとの相場と、のし・宛名の書き方
  • お歳暮の経費の扱いと、住所が分からない相手への贈り方

取引先へのお歳暮は、相場や宛名の書き方を間違えると、感謝のつもりが失礼になることがあります。最近は、お歳暮のやり取りをやめる会社も増えています。贈るかどうかの判断から、時期・相場・のし・宛名、経費の扱いまでを順に紹介します。

取引先にお歳暮を贈るか決める

お歳暮は、1年間お世話になった相手に感謝を伝える年末の贈り物です。取引先に贈る場合は、品物を選ぶ前に、そもそも贈るかどうかを決めます。いまは、お歳暮のやり取りを社内の規程でやめている会社もあるからです。

自社の規程を確かめる

まず、自社にお歳暮についての決まりがあるかを確かめます。贈る取引先の範囲や金額の上限、決裁の手順が決まっている会社もあります。決まりがない場合は、上司や経理の担当者と、どの取引先にいくらで贈るかを決めておきます。

相手が受け取れるかを確かめる

次に、相手の会社が贈り物を受け取れるかを確かめます。取引先によっては、社内の規程で贈り物の受け取りを断っています。受け取れない相手にお歳暮を送ると、先方は返送やお断りの連絡をしなければならず、かえって手間をかけさせます。

公務員には贈れない場合がある

相手が公務員の場合は、特に注意します。国家公務員は、許認可や契約などで利害関係のある事業者から、名目にかかわらず金品の贈与を受けることが禁止されています。お歳暮も物品の贈与に当たります。社名入りのカレンダーのように、広く一般に配る宣伝用の品物は例外とされています。地方公務員も、自治体ごとに同じような決まりを設けていることがあります。

出典:人事院 国家公務員倫理審査会「経済団体、民間企業等の皆様へ」(2026年10月26日確認)

一度贈ったら続けるのが基本

お歳暮は、毎年続けて贈るのが基本です。1年だけ贈って翌年からやめると、相手に気を遣わせることがあります。今年だけ特にお世話になった相手には、お歳暮ではなく「御礼」として贈る方法もあります。

お歳暮を贈る時期

お歳暮は、12月初旬から20日ごろまでに届くように贈るのが一般的です。年末が近づくと取引先も休みに入るため、会社宛てのお歳暮は12月20日ごろまでに届くよう手配しておくと安心です。

時期には地域による違いもあります。東日本では11月下旬から贈る人もいて、西日本では12月中旬を重視する傾向があります。相手の地域の習慣に迷うときは、12月上旬から中旬に届くようにすると、どの地域でも失礼になりません。

時期を過ぎてしまったら

手配が遅れて年内に届かない場合は、表書きを変えて贈ります。

お歳暮を贈る時期と、時期を過ぎたときの表書き お歳暮は12月初旬から20日ごろまでに届くように贈り、表書きは御歳暮とする。年内に届かない場合は、1月1日から7日(関西は15日)までは御年賀、その後立春の前日までは寒中御見舞とする。目上の相手には寒中御伺とするとより丁寧になる。 12月初旬〜20日ごろ 「御歳暮」 会社宛ては12月20日ごろまでに届くように 1月1日〜7日(関西は15日) 「御年賀」 相手が喪中のときは使わない それ以降〜立春の前日 「寒中御見舞」 目上の相手には「寒中御伺」 時期や表書きは地域や百貨店によって説明が少し異なる

相手が喪中のとき

お歳暮はお祝いではなく感謝を伝える贈り物なので、相手が喪中でも贈ってかまいません。ただし紅白の水引は避け、無地の短冊や白い奉書紙を使います。忌中(四十九日まで)は贈るのを控え、忌明けを待ちます。年を越してしまった場合、喪中の相手には「御年賀」は使わず、「寒中御見舞」として贈ります。

出典:三越伊勢丹「意外と知らないお歳暮の贈り物マナー」/大丸松坂屋オンラインストア「会社・取引先にお歳暮を贈る際のマナーとは?」(2026年10月26日確認)

取引先へのお歳暮の相場

お歳暮の金額は、相手との関係の深さで決めます。百貨店の解説では、一般的な取引先には3,000〜5,000円が目安とされています。

相手との関係 金額の目安
多くの取引先へ一斉に贈る簡易なもの 1,000〜1,500円
一般的な取引先 3,000〜5,000円
特にお世話になっている取引先 5,000〜10,000円

出典:大丸松坂屋オンラインストア「会社・取引先にお歳暮を贈る際のマナーとは?」/三越伊勢丹「意外と知らないお歳暮の贈り物マナー」(2026年10月26日確認)

高すぎるお歳暮は、相手にお返しの気遣いをさせてしまいます。相手の会社の規程で、受け取れる金額に上限を設けていることもあります。毎年続けることを考えて、無理のない金額にしておきましょう。

贈る取引先の範囲を決める

取引先が多い会社では、どこまで贈るかで予算が大きく変わります。取引の金額や年数、今年特にお世話になったかどうかで、取引先をいくつかの段階に分けると決めやすくなります。段階ごとに金額を決めておけば、翌年以降も同じ基準で続けられます。

取引先に喜ばれる品物の選び方

取引先へのお歳暮は、担当者一人ではなく、先方の社内で分けられるものを選ぶのが基本です。

取引先へのお歳暮で選びたい品物

  • 個包装で、社内の人数に合わせて分けやすい
  • 常温で保管でき、冷蔵庫の場所をとらない
  • 日持ちがして、年末年始の休みを挟んでも傷まない
  • 箱が大きすぎず、オフィスで場所をとらない

個包装のお菓子やコーヒー・お茶・ジュースの詰め合わせは、オフィスで分けやすい定番の品物です。相手の会社の人数が分かっていれば、人数より少し多めに入っているものを選ぶと、全員に行き渡ります。

避けたい品物

要冷蔵・要冷凍の食品は、オフィスでは保管が難しく、年末年始の休みに入ると傷んでしまいます。お酒は、飲めない人や職場での飲酒を控えている会社もあります。相手の好みが分かっているとき以外は避けます。現金や商品券は、目上の相手に金額をそのまま贈ることになるため、取引先へのお歳暮には向きません。

担当者個人に贈る場合

先方の担当者個人にお世話になった場合でも、取引先へのお歳暮は会社宛てに贈るのが基本です。個人の自宅に贈ると、相手の会社の規程に触れることがあります。個人宛てにしたい場合は、会社の住所に、担当者の名前を宛名にして送ります。

住所が分からない相手に贈る

在宅勤務が増え、取引先の担当者がオフィスにいない、送り先の住所が分からないということも起こります。そうした相手には、URLで贈れるギフトを使う方法もあります。メールでギフトのURLを送れば、受け取った人が好きな品物を選びます。配送先も本人が入力するので、住所を聞く必要がありません。

PsyPre for Business のカタログギフトは、ギフトURLをメールやチャットで送って贈れます。受け取った人は会員登録をせずに、掲載商品から好きな1点を選べます。ロゴとメッセージを入れたカタログを作れるので、ギフトを開いた画面に会社からのお礼の言葉を出せます。カタログ価格は1,000円から40,000円(税込)まで500円刻みで設定でき、送料は価格に含まれています。

ただし、URLで贈るギフトにはのし紙を掛けられません。格式を重んじる相手や、毎年品物でお歳暮を贈っている相手には、これまでどおり品物で贈る方が安心です。URLで贈る場合は、メールの本文に送り状と同じ挨拶を書き、お歳暮であることが伝わるようにします。受取期限は受取URLの発行日から3か月なので、期限もあわせて伝えておきます。

のし・宛名・送り状の書き方

のしの書き方

お歳暮には、紅白の蝶結びの水引がついたのし紙をかけます。表書きは「御歳暮」または「お歳暮」とし、改まった相手には「御歳暮」とします。法人として贈るときは、下段に代表者名を書き、会社名を代表者名の右側に小さく添えます。

宛名の書き方

お歳暮の宛名で迷いやすいのが、会社全体に贈るのか、部署や担当者に贈るのかです。百貨店の解説では、会社全体に贈る場合は代表者の名前を宛名にし、支店や部署に贈る場合はその長の肩書と名前を宛名にするとされています。

贈る相手 宛名の例
会社全体 株式会社〇〇 代表取締役社長 〇〇〇〇様
部署 株式会社〇〇 営業部 部長 〇〇〇〇様
担当者 株式会社〇〇 営業部 〇〇〇〇様

出典:大丸松坂屋オンラインストア「会社・取引先にお歳暮を贈る際のマナーとは?」(2026年10月26日確認)

宛名を書くときは、ビジネス文書の一般的な書き方に合わせます。会社名は「(株)」と略さずに書きます。肩書は名前の前に置き、「様」と「御中」は重ねて使いません。部署そのものに宛てる場合は「株式会社〇〇 営業部御中」のように「御中」を使います。

送り状を添える

お歳暮を配送する場合は、品物とは別に送り状を送ります。会社宛ての送り状は、手紙の形にして封書で送るのが丁寧です。品物より先か、同じころに届くように送ると、相手が何の品物かを受け取る前に分かります。

送り状の文例です。

拝啓 師走の候 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。本年も大変お世話になりましたお礼のしるしに、心ばかりの品を別便にてお送りいたしました。ご笑納いただければ幸いです。来年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。敬具

お歳暮の経費の扱い

お歳暮は交際費になる

取引先へのお歳暮は、法人税では交際費として扱います。交際費には、得意先や仕入先など事業に関係のある人への接待・贈答の費用が含まれます。

交際費は、損金にできる金額に上限があります。資本金1億円以下の中小法人は、次のどちらかを選べます。

方法 損金にできる金額
定額控除限度額 年800万円までの交際費
接待飲食費の50% 接待のための飲食費の50%

お歳暮のような贈答品の費用は、接待飲食費には含まれません。お歳暮が中心の会社は、定額控除限度額(年800万円)を使う方が有利になることが多くなります。この中小法人の特例は、2027年3月31日までに始まる事業年度が対象です。

1人1万円以下の飲食費の基準は使えない

交際費には、1人あたり1万円以下の飲食費を交際費から除ける基準があります。この基準は、取引先と飲食をした費用に使えるもので、お歳暮には使えません。国税庁は、飲食物の詰め合わせを贈ることは中元や歳暮と変わらないとしています。そのため飲食費には含まれず、原則として交際費になります。

出典:国税庁「No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算」/国税庁「交際費等(飲食費)に関するQ&A」(2026年10月26日確認)

判断に迷うときは

交際費の扱いは、会社の規模や支出の内容によって変わります。中小法人の特例の期限も、税制改正で変わることがあります。お歳暮を手配する前に、経理の担当者や税理士に確認してください。最新の情報は国税庁のホームページでご確認ください。

お歳暮を受け取ったとき・やめるとき

お歳暮を受け取ったとき

取引先からお歳暮を受け取ったら、まずお礼を伝えます。電話やメールで受け取ったことを伝え、改まった相手にはお礼状を送ります。お礼はなるべく早く伝えると、相手も品物が無事に届いたことが分かって安心します。

自社の規程で贈り物を受け取れない場合は、品物を開けずに返送し、受け取れない理由を書いたお断りの手紙を添えます。相手の厚意を否定しないよう、お礼の言葉から書き始めます。

お歳暮をやめるとき

お歳暮のやり取りをやめる場合は、相手に伝え方を工夫します。何も言わずにやめると、関係が悪くなったのかと相手に思わせてしまいます。

  1. 社内で方針を決める

    すべての取引先でやめるのか、一部だけやめるのかを決めます。

  2. 挨拶状で知らせる

    会社の方針として贈答をやめることを、年末の挨拶状などで知らせます。相手からのお歳暮も辞退することを、あわせて伝えます。

  3. ほかの形で感謝を伝える

    年末の挨拶回りや年賀状など、贈り物以外の方法で感謝を伝え続けます。

会社の方針としてやめることを伝えれば、相手も「自社だけが外された」とは受け取りません。相手からお歳暮が届き続ける場合は、お礼状に「今後はお気遣いなさいませんように」と添えると、角を立てずに伝えられます。

まとめ

取引先へのお歳暮は、贈るかどうかを先に決めると、時期・相場・宛名も迷わずに決められます。

  • 自社の規程と、相手が受け取れるかを先に確かめる。公務員には贈れない場合がある
  • 12月初旬から20日ごろまでに届くように贈る。遅れたら「御年賀」「寒中御見舞」にする
  • 一般的な取引先は3,000〜5,000円が目安。毎年続けられる金額にする
  • のしは紅白の蝶結びで表書きは「御歳暮」。宛名は会社全体なら代表者、部署ならその長にする
  • お歳暮は交際費になり、1人1万円以下の飲食費の基準は使えない

住所の分からない相手には、URLで贈れるギフトも選択肢になります。相手との関係に合わせて、品物と贈り方を選びましょう。

よくある質問

この記事を書いた人

Psyve株式会社

法人向けオリジナルカタログギフト「PsyPre for Business」と、ギフトEC「PsyPre」を開発・運用しています。福利厚生や販促のギフト選びに役立つ情報を発信しています。

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