この記事でわかること

  • キャンペーンの目的に合った景品の選び方
  • 景品表示法で決まっている景品の上限額
  • 当選者の住所を集めずに景品を届ける方法

キャンペーンの景品は、喜ばれるかどうかだけでなく、景品表示法の上限と届け方まで決めておく必要があります。上限を超えると法令違反になり、届け方を決めていないと当選者の住所を集める手間が残ります。景品の選び方から、景品表示法の上限、当選者への届け方までを順に紹介します。

キャンペーン景品の主な種類

キャンペーンで使われる景品は、大きく5つに分けられます。それぞれ届け方と手間が違います。

種類 特長 当選者への届け方
現物の商品(家電・食品など) 話題になりやすく、写真映えする 当選者の住所を集めて発送する
自社商品・オリジナルグッズ ブランドを覚えてもらいやすい 当選者の住所を集めて発送する
商品券・ギフト券 使い道が広く、好みを問わない 郵送、またはコードを送る
デジタルギフト 1つのお店や商品に絞った少額のギフトに向く URLやコードを送る
カタログギフト 当選者が好きな商品を選べる 冊子・カードを郵送、またはURLを送る

現物の景品は、当選者の住所を集めて発送する作業が残ります。デジタルで渡せる景品なら、URLを送るだけで済みます。

種類ごとの長所と短所

5つの種類には、それぞれ向き不向きがあります。

現物の商品は、写真で見せやすく、SNSで話題になりやすい景品です。一方で、在庫の確保と発送の作業が必要で、送料もかかります。人気の家電などは、当選者がすでに持っていることもあります。

自社商品・オリジナルグッズは、受け取った人に商品を知ってもらえるのが強みです。ただし、自社に興味がない人には応募の動機になりにくいことがあります。認知を広げるより、既存の顧客との関係を深めたいときに向いています。

商品券・ギフト券は、使い道が広いので好みを問いません。その分、キャンペーンの印象には残りにくく、景品目当ての応募が増えることもあります。

デジタルギフトは、コーヒー1杯分のような少額の景品を、大人数に配りたいときに向いています。URLやコードを送るだけなので、当選の連絡と同時に渡せます。

カタログギフトは、当選者が好きな商品を選べるので、相手の好みが分からなくても外れにくい景品です。デジタルのカタログギフトなら、住所を集めずに形のある商品を届けられます。

目的に合わせた景品の選び方

景品は、キャンペーンの目的から逆算して選びます。人気の景品をそのまま選ぶと、応募は集まってもキャンペーンの目的につながらないことがあります。

認知を広げたいとき

SNSのフォローや拡散で認知を広げたいときは、多くの人が欲しいと思う景品が向いています。当選人数を増やしたい場合は、1人あたりの金額を抑えて当選者を多くします。

購入やリピートにつなげたいとき

購入者を対象にしたキャンペーンでは、自社の商品やサービスに関係する景品が向いています。景品をきっかけに、もう一度使ってもらえるからです。購入を条件にすると景品表示法の上限がかかるので、後半の「景品表示法で決まっている景品の上限」で金額を確認します。

顧客との関係を深めたいとき

既存の顧客へのお礼として渡すときは、受け取った人が自分で選べる景品が喜ばれます。年代や好みが分からない相手でも外れにくいからです。

当選人数と予算の決め方

予算は「1人あたりの金額×当選人数」で決めます。先に総予算を決め、目的に合わせて配分を考えます。

設計 1人あたりの金額 当選人数 合計
当選者を多くする 1,000円 100人 100,000円
中くらいの景品 5,000円 20人 100,000円
大きな景品を少数に 30,000円 3人 90,000円

当選者を多くすると「当たりそう」と感じてもらいやすく、応募が増えやすくなります。大きな景品を少数にすると、話題にはなりやすい反面、応募を迷う人も出ます。

予算には景品の代金だけでなく、送料や発送の作業、当選者への連絡の手間も含めます。現物の景品は、送料と梱包の費用が景品の代金とは別にかかります。

当選者の数で迷ったら

当選者の数は、キャンペーンの目的で決めます。認知を広げたいなら当選者を多めにし、「自分にも当たるかもしれない」と思ってもらいます。話題づくりが目的なら、少数でも目を引く景品を用意します。

同じ予算で複数の賞を組み合わせる方法もあります。たとえば「1万円分を5人・1,000円分を50人」のように分けると、大きな景品で目を引きつつ当選者の数も確保できます。この場合の景品の合計は10万円です。

当選者への届け方

景品を選ぶときは、当選者への届け方もあわせて決めておきます。届け方を後回しにすると、当選発表のあとに住所を集める作業が発生します。

当選者に景品を届けるまでの流れの比較 住所を集めて発送する場合は、当選の連絡、住所の返信を待つ、返信がない人への催促、梱包と発送を経て景品が届き、住所の管理と処分も必要になる。URLで届ける場合は、当選の連絡にURLを添えると、当選者が商品を選んで住所も自分で入力し、商品が届く。贈る側は住所を預からずに済む。 住所を集めて発送する URLで届ける 当選を連絡する 住所の返信を待つ 返信がない人に催促 梱包して発送する 景品が届く 当選連絡にURLを添える 当選者が商品を選び 住所も自分で入力 商品が届く 住所の管理と処分が必要 贈る側は住所を 預からずに済む

住所を集めて発送する場合

現物の景品を送るには、当選者に連絡して住所を返信してもらう必要があります。返信が来ない人への催促や、集めた住所の管理も必要です。住所は個人情報なので、利用目的を示したうえで集め、キャンペーンが終わったら適切に処分します。

当選の連絡で伝えること

当選の連絡には、受け取りに必要なことをまとめて書きます。返信が必要な場合は、返信の期限と、期限を過ぎたときの扱いも書いておきます。

このたびは「〇〇キャンペーン」にご応募いただき、ありがとうございました。厳正な抽選の結果、〇〇様が当選されましたのでお知らせします。下記のURLから、お好きな商品をお選びください。受取期限は〇月〇日です。期限を過ぎると受け取れなくなりますので、お早めにお手続きください。

当選者から返信がない場合に備えて、繰り上げ当選をするかどうかも決めておきます。応募の規約に「期限までに連絡がない場合は当選を無効とします」と書いておくと、対応に迷いません。

URLを送って届ける場合

デジタルギフトやデジタルカタログギフトなら、当選者にURLを送るだけで景品を渡せます。SNSキャンペーンなら、当選の連絡と一緒にダイレクトメッセージでURLを送れます。

カタログギフトなら、当選者が好きな商品を選び、配送先も自分で入力します。贈る側は住所を集めずに、形のある商品を届けられます。

ここが重要

URLで渡す景品には、受取期限があります。当選の連絡で期限をはっきり伝え、期限が近づいたら受け取っていない人にもう一度案内します。

景品表示法で決まっている景品の上限

商品の購入や来店を条件にしたキャンペーンでは、景品表示法で景品の上限額が決まっています。上限を超えると、消費者庁から景品の提供を制限・禁止されることがあります。

景品表示法の対象になるキャンペーン

景品表示法の「景品類」は、商品やサービスの取引に付随して、客を引きつけるために渡す金品のことです。購入者や来店者だけが応募できるキャンペーン(クローズド懸賞)は、取引に付随するので対象になります。

一方、購入や来店を条件にせず誰でも応募できる懸賞(オープン懸賞)は、景品規制の対象になりません。オープン懸賞の景品には、具体的な上限額の定めもありません。

景品の上限額

景品表示法の対象になるキャンペーンの上限額は、渡し方によって3つに分かれます。まず、どの上限がかかるかを次の流れで確かめます。

キャンペーンにかかる景品表示法の上限の判定 購入や来店が応募や受け取りの条件でなければオープン懸賞で、景品規制の対象外となり上限の定めはない。条件になっている場合、抽選などで一部の人に渡すなら一般懸賞で、取引価額5,000円未満は取引価額の20倍、5,000円以上は10万円まで、総額は売上予定総額の2%まで。全員に渡すなら総付景品で、取引価額1,000円未満は200円、1,000円以上は取引価額の10分の2まで。 購入や来店が応募・受け取りの条件? SNSでも、取引につながる条件があれば「はい」 いいえ はい オープン懸賞 景品規制の対象外 上限の定めなし 抽選などで 一部の人に渡す? はい いいえ (全員) 一般懸賞 取引価額5,000円未満 → 取引価額の20倍まで 5,000円以上 → 10万円 総額は売上予定の2% 総付景品 取引価額1,000円未満 → 200円まで 1,000円以上 → 取引価額の10分の2 商店街などが共同で行う共同懸賞は、最高30万円・総額3%

それぞれの上限額は、次のとおりです。

渡し方 取引価額 1人あたりの上限 総額の上限
一般懸賞(抽選などで一部の人に渡す) 5,000円未満 取引価額の20倍 売上予定総額の2%
一般懸賞(抽選などで一部の人に渡す) 5,000円以上 10万円 売上予定総額の2%
共同懸賞(商店街などが共同で行う) 金額にかかわらず 30万円 売上予定総額の3%
総付景品(購入者・来店者の全員に渡す) 1,000円未満 200円 定めなし
総付景品(購入者・来店者の全員に渡す) 1,000円以上 取引価額の10分の2 定めなし

たとえば、2,000円の商品の購入者から抽選で景品を渡すなら、1人あたりの上限は4万円(2,000円の20倍)です。同じ2,000円の商品の購入者全員に渡すなら、上限は400円(2,000円の10分の2)になります。

総額の上限の計算例

一般懸賞には、1人あたりの上限だけでなく、景品の総額の上限もあります。総額の上限は「懸賞に係る売上予定総額」の2%です。

たとえば、キャンペーン期間中に対象商品を300万円売る予定なら、景品の総額は6万円までです。1人あたりの上限が守られていても、当選人数を増やしすぎると総額の上限を超えることがあります。1万円分の景品なら、当選者は6人までになります。

購入が条件のキャンペーン

「対象商品を買うと応募できる」キャンペーン(マストバイキャンペーン)は、取引に付随するので景品表示法の対象です。抽選で一部の人に渡すなら一般懸賞、購入者全員に渡すなら総付景品の上限がかかります。

紹介キャンペーン

自社の商品やサービスを買う人を紹介してくれた人へのお礼は、取引に付随しないとされています。そのため、紹介者へのお礼は景品規制の対象になりません。ただし、紹介者を自社の商品やサービスの購入者に限る場合は、取引に付随すると判断されます。

出典:消費者庁「景品規制の概要」/消費者庁「景品類ではないもの」Q35(2026年10月19日確認)

SNSキャンペーンの扱い

SNSのキャンペーンは、応募の条件と景品の受け取り方で扱いが変わります。消費者庁は、次のような考え方を示しています。

SNSキャンペーンの例 景品規制
アカウントのフォローや「いいね」で応募でき、景品は郵送する 取引につながる事情がなければ、対象にならない
商品の画像を投稿すると当選確率が上がる 購入につながるので、一般懸賞として対象になる
友だち登録で応募でき、景品の受け取りに来店が必要 来店が必要なので、総付景品として対象になる

出典:消費者庁「一般懸賞について」Q18〜Q20(2026年10月19日確認)

判断に迷うときは

ここで紹介したのは消費者庁が示す一般的な考え方です。企画の内容によって扱いが変わるので、判断に迷う場合は消費者庁や都道府県の景品表示法の相談窓口に確認してください。

SNSでキャンペーンを行うときのルール

SNSのキャンペーンでは、景品表示法とは別に、各SNSが決めているルールも守る必要があります。たとえばXは、キャンペーンを行うときのガイドラインで次のことを求めています。

  1. 複数のアカウントで応募させない

    複数のアカウントで応募した人は当選の資格を失うことを、応募の規約に書いておきます。

  2. 同じ投稿を繰り返させない

    「いちばん多くリポストした人に景品」のように、同じ投稿を何度もさせるルールは設けません。

  3. 主催者の@ユーザー名を入れて投稿してもらう

    応募をすべて確認できるようにするためです。検索だけでは、一部の投稿が表示されないことがあります。

  4. 内容に関係のあるハッシュタグにする

    キャンペーンと関係のない投稿にハッシュタグを付けさせると、ルール違反の原因になります。

出典:X ヘルプセンター「キャンペーン実施についてのXのガイドライン」(2026年10月19日確認)

Instagramなど、ほかのSNSにもキャンペーンに関する独自のルールがあります。実施する前に、使うSNSの規約を確認してください。

応募の規約は、キャンペーンの告知と同時に公開します。応募の条件・期間・当選人数・景品の内容・当選の連絡方法・受取期限・個人情報の扱いを書いておくと、応募者からの問い合わせが減ります。

当選者の決め方と終わったあとの振り返り

当選者の決め方

抽選の方法は、応募の規約に書いておきます。抽選の結果と、誰が当選したかの記録は、問い合わせに備えてキャンペーンが終わったあとも一定期間残しておきます。

不正な応募を当選の対象から外す場合は、その基準も規約に書いておきます。たとえば、同じ人が複数のアカウントで応募した場合や、応募の条件を満たしていない場合です。基準をあとから決めると、当選者を選ぶときに迷います。

当選の発表方法も決めておきます。当選の連絡をもって発表にかえる方法なら、当選者の名前を公開せずに済みます。

終わったあとの振り返り

キャンペーンが終わったら、目的に対してどれだけ効果があったかを振り返ります。次のキャンペーンで景品や当選人数を決めるときの材料になります。

見ること 分かること
応募数と応募者の属性 景品が届けたい相手に響いたか
フォロワーや会員の増減 認知を広げる目的に対する効果
当選者の受け取り率 当選の連絡や景品の渡し方に問題がなかったか
キャンペーン後の購入や来店 購入やリピートにつながったか

特に当選者の受け取り率は見落とされがちです。受け取り率が低い場合は、当選の連絡が届いていないか、受け取りの手続きが分かりにくい可能性があります。

キャンペーン実施前のチェックリスト

キャンペーンを始める前に、次の項目を確認しておきます。

景品と届け方のチェックリスト

  • キャンペーンの目的と、届けたい相手を決めた
  • 応募条件から、景品表示法の対象かどうかを確認した
  • 対象なら、1人あたりの金額と総額が上限に収まっている
  • 1人あたりの金額と当選人数から、総予算を決めた
  • 当選者への連絡方法と、景品の届け方を決めた
  • 住所を集める場合は、利用目的と処分の方法を決めた
  • URLで渡す場合は、受取期限を当選者に伝える文面を用意した

まとめ

キャンペーンの景品は、目的・上限・届け方の3つを決めてから選びます。

  • 景品は、認知・購入・関係づくりなど、キャンペーンの目的から逆算して選ぶ
  • 購入や来店を条件にすると景品表示法の対象になり、1人あたりと総額に上限がある
  • SNSキャンペーンでも、投稿の条件や来店の有無によっては規制の対象になる
  • URLで渡せる景品なら、当選者の住所を集めずに届けられる

上限と届け方を企画の段階で決めておくと、当選発表のあとの作業が少なくなります。

よくある質問

この記事を書いた人

Psyve株式会社

法人向けオリジナルカタログギフト「PsyPre for Business」と、ギフトEC「PsyPre」を開発・運用しています。福利厚生や販促のギフト選びに役立つ情報を発信しています。

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